企業の民事再生・破産について

民事再生

民事再生とは、会社を再建させる手段

会社の資金繰りが悪化し、借金等の返済が厳しい状況に陥ったりなどで資金繰りが行き詰まった場合に、民事再生という手続(手段)があります。

民事再生は、破産のように会社を清算するのではなく、会社を再建するという再建型の法的手続です。

民事再生の進め方

民事再生は破産のように会社を精算する手続ではなく、事業を継続して行いながら取る手段であり、事業を継続しながら「再生計画案」を立てて、再生計画案が認可されれば事業を継続しながら再生計画案を実行していくこととなります。

民事再生手続が開始された場合、開始決定時点の債務の弁済(返済行為)が禁止されます。
※民事再生の手続中も仕入れなどは可能ですが、信用の観点から通常は現金決済で行われます

再生計画案を策定し、これに対して債権者が同意するかどうかを事業は継続しながら決議にかけます。
民事再生は、破産をした場合よりも債権者に対して配当率が高くなければならないというルールがあるため、破産を選択するよりも再生計画に同意を得られることがあります。

民事再生の注意点

・弁済をストップすれば事業を立て直し(収支がプラスで)継続していけるのか
・取引先が変わらず取引を継続してくれるか
・改善計画や資金繰り計画の精度が高く現実的か
・業界内での信用やイメージへの影響
・裁判所への予納金や、申立代理人の弁護士費用の確保

良いこと尽くしのように見える民事再生にも、上記のような注意点とハードルをしっかりと踏まえた上で、専門家とともに検討することが必要です。

破産

破産とは、会社を法的に精算する手段

上記のような民事再生の可能性を検討したものの、現実的な再建計画の目処がたたず、債権者の同意も得られない場合などは、会社を清算する法的手続である「破産」という選択肢があります。

破産の進め方

会社の破産手続きは、

①破産申し立ての準備
②債権者への通知
③裁判所へ破産申し立て
④破産管財人の選任
⑤会社の資産売却
⑥債権者集会
⑦債権者へ配当

という流れで進めていくことになります。

破産がベストな方法かを十分に検討し、破産することが決まったら債権者へ破産予定である旨を通知します。(ここで債権者の取り立てはストップします)

そして、・破産手続開始申立書・債権者一覧表・債務者の一覧表・委任状・財産目録・報告書・取締役会議事録などの必要書類を揃えて裁判所へ破産の申し立てを行い、破産申し立てを受けた裁判所に申し立てが認められると、破産手続きが開始されます。

破産手続きがスタートしたら、会社が所有する不動産や財産を処分したり、売掛金の回収をしたりしてお金に換えて債権者への債務の返済に充てる資金に換えます。
同時に、債権者集会が開催されて、会社が破産に至った経緯や資産状況などを債権者や裁判所への説明などを行います。

無事、会社が所有する資産の売却が終了すると債権者への配当が行われて、債権者への配当が終われば破産手続きが終了です。

民事再生・破産を検討中の方へ

会社の経営が立ち行かなくなった場合は、まずは出来るだけ早い段階で弁護士に相談することをおすすめいたします。

民事再生が可能なのか、破産を選択すべきなのか。
また、会社の破産と同時に代表者も破産を選択すべきなのか。

その場合も、連帯保証や免責の問題・個人名義の財産の取扱い、破産費用や破産スケジュールの問題なども含め、法的な観点からも多角的に検討することが重要です。

会社の資金繰りが悪いなどはギリギリまで踏ん張ってみたくなるものですが、苦しいことを一人で悩まず、まずは弁護士に相談の上でお任せください。

クライアント様の、明るい未来への力強い一歩を全力でサポートいたします。